リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、実際にリモートワークしている人や会社にその実際を語っていただくインタビュー。
今回ご登場いただくのは、
株式会社ソニックガーデン入社2年目の野本司さん。株式会社ソニックガーデンは、リモートワーク研究所を設立した会社であり、リモートワークに最適なバーチャルオフィスツール「
Remotty」の開発も行なっています。そんなソニックガーデンでエンジニアとして働く野本さんは、リモートワーク研究所の研究員でもあり、目下、世界各地を旅しながら「ぶらりワーケーション」シリーズを不定期連載しています。
新卒からリモートワークで働いているという野本さん、そのメリットや考え方についてお話しいただきました!
野本司のもと つかさ
リモートワーク研究所研究員
大学時代にアメリカとスウェーデンでの留学を経験後、新卒で2017年4月に株式会社SonicGardenに入社。入社前のインターンシップから現在まで、ずっとリモートワークをしている。趣味の旅行を兼ねて国内外を飛び回りながら働く生活スタイルをしている。
新卒からリモートワーク。どうして?
新卒ですぐにリモートワークということですが、最初にソニックガーデンに応募したのはどんな経緯でしたか?
- 野本
留学をしていて、就職活動に大分出遅れてしまっていたので、自力で探し出したいくつかの会社に応募していました。ソニックガーデンはその中のひとつです。会社説明会にもいくつか行っていたのですが、どこも給与面や制度の話はあっても、働き方については言及しない、表面的な話ばかりで実際のところはあまり教えてくれないんです。パンフレットを渡されて終わり、というのがとても多かったです。それが不満で、働き方関連で検索をかけて、その検索結果に出てきたと記憶しています。
就職活動をするにあたって働き方を意識していましたか?
- 野本
それが最重要、という気持ちではなかったですが、ちゃんと知って、納得した上で働きたいとは思っていました。それは僕だけではなくて、僕らの年代、今現在20代の人は、時代の流れもあって、あまりお金を追いかけないとよく言われますね。「悟り世代」なんて言い方もされます。本当にそうで、多分上の世代の方よりは、ワークライフバランスに重きを置いて選ぶ人は多いと思います。
採用のステップはどのようなものでしたか?
- 野本
最初に社長面接がありました。そのあと何度か面接があって、最終的にはほとんどの社員と会いました。決まってからは、3ヶ月くらいインターンをやりつつ社内のこと知っていって入社、という形です。面接もインターンも全てリモートです。
同年代でリモートワークしている人はいますか?
- 野本
ほとんどいないですね。同じような技術職で、体調悪い時なんかに1日2日家からリモートできる、くらいの制度がある人はちらほらいます。
新卒からリモートワークします!となって、周囲の人はどんな反応でしたか?
- 野本
フリーランスと勘違いされることはありますね。あとは「起業してるの?」とも聞かれます。制度的にずっとリモートワークすることを認めている会社はすごく少ないようです。あとは「さみしくない?」とか「切り替えが難しくない?」ともよく聞かれますね。
リモートワークするにあたって気をつけていることはありますか?
- 野本
意識して外に出るようにしています。ジムに行ったりとか。1人で家で働いているとズルズル働きすぎてしまうと思うので、「この時間は何もしない!」と決めてデスクから離れるとか、メリハリをつけるようにしていますね。勤務時間は契約として決まっているので、それを過ぎたらパッと画面を閉じて「退勤」します。
あとは意識して「伝える」ようにしています。Remottyだと、顔が映ってるとはいえ、普通に目の前にいるよりは情報量が少ないので、掲示板に進捗をちゃんと書くとか…。僕の場合はつぶやきも多いです。考えていることをパラパラと。それだけで存在感も出ますよね。
想像と違った?リモートワークのリアル
今ちょうど入社から1年経ったところですが、入社時の想像と違ったことはありますか?
- 野本
「思ったより普通に回るんだな」と。もっと大変なことが起こるかなとか、連絡できないとかあるのかなと思ったんですけど、意外とすんなり過ごしているので、むしろそっちの方に驚きを感じました。みんな基本的にワークタイムが同じで、ただ離れて働いているだけなのでよく考えたら当たり前なんですけど。リモートワークに対してやっぱり無意識のうちに構えてたのかなとは思います。
リモートワークとオフィスワークの間でギャップを感じることはありましたか?
- 野本
オフィスに通って働いたことがないので、友達の話との比較になってしまうんですが、「帰れない空気」っていうのが、僕にはない感覚ですね。僕の場合はブラウザの「×」を押してしまえばいいので(笑)。あとは産休やなんかで人が抜けるときに、その分他の人にノルマが上乗せされるというのも…。そういう風に冷静に考えて理不尽だろうということがまかり通っちゃってるし、それに文句を言えない、話し合いができない環境で働いている人が多いんだなと思います。
でもこれ、リモートワークというよりは会社の風土の問題ですね。リモートワークだから「できる」「できない」は実は少なくて、もっと根本的な環境の問題なんじゃないかということはよく考えています。それがよく見えるようになったのも、ある意味リモートワークしているからなのかもしれません。なんでもリモートワークのせいにはせずに、きちんと問題の原因を探すことが大事かなと思っています。
リモートワークをやってみてよかったことはありますか?
- 野本
まず1番なのは無駄な時間がないところですね。もちろん通勤時間を使ってその間にいろんなことができるとも思うんですけど、やっぱり人より持ってる時間は多いと思います。もうひとつは、旅行が好きなので、それを仕事にできているのは嬉しいです(※研究員野本のぶらりワーケーションシリーズ)。先日も、社長に「彼は旅が副業です」って紹介されて、「あ、認められたんだ」って(笑)。
逆にリモートワークで困ったことは?
- 野本
最初は話しかけるのがなかなか難しかった気がします。Remottyだとチャットで話しかけられるんですけど、迷っても話しかけるまでにちょっと時間がかかるというか、勇気がいるというか。でもそれって今考えると普通のオフィスにいても同じですね。「リモートワークのせいにせずに」と言ったはずなのに、自分にもそういう思考に囚われているところが…。逆にオフィスの方が視覚情報が多いので、「機嫌悪そう」とか「見るからに忙しそう」って思ってますます話しかけられなかったかも。
リモートワーカー2年目の「これから」
今年の目標はありますか?
- 野本
またワーケーションの旅に出る予定が(笑)。今年は1年の3分の1を家で「過ごさない」ことを目標にしているので、またあちこち旅しながら働きます。
最後に、リモートワークを人におすすめしたいですか?
- 野本
したいです! 実際友達なんかに良さを話しても、「でもうちは無理」っていう返事になってしまったり、「リモート=フリーランス」っていうイメージもまだいまいち拭えていないので、リモートワークラボを通じてもっと発信していけたらと思います。
実はこのインタビューもリモートでした。お疲れ様でした!
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この記事を書いた人
土佐光見
リモートワーク研究所研究員・ライター。
webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。