リモートワークに関する海外書籍を読んでみた①「Working Remotely the telecommunications to the galaxy」

(最終更新 2018/08/14)

日本ではまだまだリモートワークについて書かれた書籍は多くありません。そこでリモートワークラボでは、海外で出版されている書籍の中から、リモートワークを実践するにあたって参考になりそうな書籍を選んで、研究員が読破し感想とともにご紹介しています。ぜひご参考に。

概要

この本は、大きく2つのパートに分かれています。前半では、リモートワークのメリットやデメリット、それにどう対処するかなどといった、リモートワークに関する基本を簡潔に説明しています。短く要点をまとめてあるので、リモートワークについてざっくりと知りたい方には非常におすすめです。

後半では、フルリモートを実践しているある法律事務所へのインタビューを紹介。リモートワーカー、マネージャー、経営者のそれぞれの視点で情報が整理されています。リモートワーカー向けにはモチベーションを保って成果をあげるノウハウについて、マネージャー向けには離れた場所で働く部下を適切に評価するための工夫について、経営者向けには離れて働く従業員が安心して働けるような文化の醸成について書かれています。

ちなみに、本のタイトルにはgalaxyとありますが、銀河や宇宙関係の話は全く出てきません(笑)。

感想

特に印象的なのが、フルリモートオフィスの事例として、法律事務所が紹介されていることです。リモートワークを実践している企業は、IT業界を筆頭とした、リモートワークとの相性がいい業種が目立つ中、この事例は非常に興味深いものになっています。

しかし、いくつか挙げられている課題の中で、リモートワークというよりは、オフィスのあり方自体が原因と考えられるものがあったり、現在のITツールを使うことでよりスマートに、無理をせずに解決できそうであったりと、ディスカッションされるべき点も幾つか見受けられました。

もちろん世の中の人全員がリモートワークできるかというと難しいのですが、筆者も作中で語るように、現在ではリモートワークを後押ししてくれるツールがたくさん存在しています。また、大企業によるリモートワーク導入のニュースにも見られるように、社会的にもリモートワークというものが少しずつ広まってきています。少し工夫すれば、今よりももっと多くの人がリモートワークができるようになるのではないか、そんな希望を抱かせてくれる一冊でした。

また、随所に「REMOTE」(邦題:『強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」』)からの抜粋があり、この著作の影響を強く受けているようです。内容的には「REMOTE」を読みやすくコンパクトにしたような印象。無料のpdfなので、リモートワークに興味がある人が入門的にさっと読むのにおすすめです。